|吸|粉|蒼|碧|
|尽|青|天|水|
|西|瓷|高|清|
|江|碗|遠|深|
|一|乾|不|不|
|口|坤|聴|見|
|供|蔵|鐘|容|
    失礼ながら以下説明です。
    [語釈] 
    「粉青瓷」京都の陶芸作家「原口卓士」の究め続けている
    中国宋代の青磁。特に南宋の郊壇官窯を狙っている。
    「碗」抹茶碗。「容」かたち。
    「乾坤」天地。自然。 「蔵」内蔵する。
    「吸尽西江」
    禅語「一口吸尽西江水」を踏む。
    弟子が仏法の本質を尋ねたところ師匠が
    「一口で西江の水を吸い尽したら解るだろう」 
    と答えたという話です。私の解釈はこうです。
    人という部分が、江(自然の代表)という全体と
    一体になった時、初めて真理が見える。 
    「一口供」禅を極めずとも、この茶碗で「ひとくち」
    喫すれば、(同じ境地に達することができる)。
    [作法]上平声二冬押韻、仄起式。
    [挿話]
    因みに、杜甫「登岳陽楼」の「昔聞洞庭水・・・乾坤日夜浮」
    の場合の「乾坤」は、多くの唐詩の書籍(高木正一氏「唐詩選」
    朝日文庫など)が「天地」などと解釈している中、唯一、原田
    種成氏「私の漢文講義」の解釈は「乾坤」は「日月」で、「日と
    月が洞庭湖の東岸から昇り、西岸に沈む。それ程、 大きい湖だ
    と歌ったものである」と、当時の民謡や漢和辞典等を踏まえて
    説明されておられますが、全く同感であります。